処世術

対人

今日は、処世術について考えてみたいと思います。

辞書とかで調べると処世術の言葉の意味は社会で生きていく上で必要な世渡りの方法のことです。僕が社会人になって色んな人を見てきましたが、今でもこの処世術にたけた人が会社の中で出世をしているのが大半なんだなと実感しています。

出世する人の特徴としては

1.上司に対して口答えをしない。

2.凄く温和である。

3.相談には乗ってくれるが、悩みを解消してくれるかは定かでない。

4.自分の意見は極力言わない。

5.自分に降りかかりそうな時に発揮する危機探知能力は高い。

この5つの特徴をそれぞれ深く説明していきたいと思います。

1.上司に対して口答えをしない。

人と言うのは真向から否定されると気分が悪いものです。ましてや自分の部下に言われると部下の意見が正しいとしても認めたくない衝動になります。そこを巧みに心得ていて上司に対しては口答えをしないし、正義感から意見をすることもないのです。むしろ上司の命令には忠実に仕事をするのです。上司から見れば「かわいい奴」となるのです。

2.凄く温和である。

この頃は出世する人は部下にも気を遣わなければなりません。なぜなら人事の評価は人望があるかないかも?評価の一部になってきているからです。会社では上司部下に関係なく人当たりが凄くいいのです。

3.相談には乗ってくれるが、悩みを解消してくれるかは定かでない。

ここが凄く上手いのです。人間誰しも少なからず悩みはあるものです。仕事の事もしかりです。温和な方なのでついつい相談しがちです。人間って実は悩みを聞いてくれるだけでも自分のモヤモヤしていた部分が無くなると言うか喉元に刺さった魚の骨が取れたように思うのです。悩みをさらけだした後、相談を受けた側の言葉は「おまえも大変だな。ただもう少し頑張ってみろ。」と言うような言葉を掛けてくれるだけなのですが、当の本人はなんとなく煙に巻かれた感じで悩み解決には至っていないのに、いつの間にか、その会話は終了しているのです。

4.自分の意見は極力言わない。

これも上手いのです。なるべく、いや絶対に自分の意見は言わないのです。自分の言葉が独り歩きして、出世に障害になる事を極力避けているのです。もし、それでも意見を求められた時は、当たり前の事をもっともらしく自分の意見として述べるのです。どういう事かと言うと既に世間一般に認められている事をさも自分の意見として遠回しに言うのです。

例えば、現在の社会的環境は景気があまり良くない。→この部分は既にメディアで報道されている内容。「これを元に、景気の動向を見ても現状あまり良くない。だとすれば支出をなるべく抑えて、冒険はせず、今やっている事を一歩一歩着実に積み上げることが大切だと思う」とこのような言葉で立ち振る舞うのです。

5.自分に降りかかりそうな時に発揮する危機探知能力は高い。

会社にいると色々と無理難題と言うか自分が忙しい時に限って次々と上司から指示が来たりするものです。その中でも特に面倒くさい内容の事やお客様との調整に手間のかかる内容などです。誰しも苦手な事はあります。その苦手な事案が自分に降りかからないように常に高いアンテナを張っていて、事前にその目をつぶしていくのです。例えば、今抱えている案件がかなり難しくもう少し時間が欲しいと前もって上司に報告しているのです。報告のタイミングが実に上手いのです。

これは僕が見てきた出世する人特徴の5選です。(この他にもあるとは思います)

逆に今でも数多く会社の中にいる人たちがいます。人を見て判断する人たちです。上司にはペコペコして部下には上から目線で厳しく当たる人たちです。寄生虫のように会社に、はびこっていますが、既に時代を読めない人たちで旧態依然としたやり方で出世出来ると信じているのですが、残念ながら出世は難しく、それを知った途端に絶望感を感じ、何をどうしていいか分からず、ただただ、会社にしがみつくだけの存在になっていくのです。

さて、問題はこの処世術に優れているだけで、このような人たちが出世したら会社は良くなるのか?と言えば、答えは「NO」なんです。自分のポリシーをあまり持っていないのです。

だから処世術の優れた人が会社の中枢まで出世している会社は、知らず知らずに会社の財産を蝕んでいくのです。そこに気づいた会社は何とかなりますが、気づかないとどんどん悪い方向へ深みにハマっていくのです。ただ、気づかない方が多いのも事実なのです。決して周りの評判は悪くないからです。

僕も昔、働いていた会社にある大手会社の役員までやられた方が会社にいたのですが、会社の経営状態が厳しいにも関わらず、何か手を打つような進言を社長にする事もなく、当たり触らず無難に周りを意識して仕事している姿を垣間見た時にふと心の中で思った言葉があります。

「人は悪くないけど、自分を持っていないよな。会社の経営状態が悪いのだから今までの経験を活かして知恵を授けてくれたりしてもいいのにな~。」と、と同時に「この人はこのやり方で出世したんだな。」と感じました。

あらためて、今、内の会社にはこのような偉い方が必要?と考えながら、肩書に弱い日本の文化を思い知らされた思いでした。技術革新やお金の流れが変わってきていても、根本的な所はあまり変わらないのは、このような人たちがいるからなんです。

全部が全部悪いとは言いません。周りとの調和を大切にするのは本当にいい事だとは思いますが、ただその時、その場面で臨機応変に対応出来なければ厳しいと感じていましたので、少々厳しい意見を言っています。

出世して社長、役員を目指すのは決して悪い事ではありません。むしろ健全だと思っています。ただ僕の経験から言わしてもらえば、そこにもう一つ、心の中に秘めてもらいたい事があります。会社の中で偉くなったら「何をしたいのか?」「それをする事で会社がこんなに良くなる。」といつも自問自答しながらイメージして欲しいのです。勿論、長い会社人生ですから、その時代や環境に影響されて「したい事」が変わるかもしれません。それでもいいのです。偉くなったら「○○を実現させる。これをやればみんな幸せになる。」このような信念をもっていないと、早かれ遅かれ会社は危機的方向に向かうことを忘れずに。

今日はここまでです。最後まで読んでくれてありがとうございます。

今日も一日良い日でありますように。

コメント

タイトルとURLをコピーしました