好き嫌いで人事をすると・・・

会社

中小企業では良く見る光景ですが、好き嫌いで人事をするとどうなるか?今日は僕の体験談として話して見たいと思います。

中小企業の人事となると概ね、その会社の社長さんが最終的には人事を決めるパターンが多いと思います。

建前は人物本位で管理職の意見を取り入れてとなりますが、誰を課長にしようか?誰を部長にしようか?となった時、本音の部分では・・・

・好き嫌いが感情の中にあるのです。

こうして、自分の好き嫌いで人事を決めた場合どんなハレーションがあるかと言うと

・課長とか部長に昇格した人は、変に勘違いをしてしまい、自分は偉いし、社長からも気に入られていると変な自信を持ってしまうのです。

周囲の人たちも、あの人は出世コースに乗っている。社長にも気に入られている。と考えて、黙って従うようになります。

何故?あの人は社長に気に入られているのか?その行動を良く見ると分かります。

・イエスマンである。

・新しいプロジェクトなどでは、自分の意見を言わず積極的に活動している人を見ている。リスクを負わない。

・自分以外の人間で仕事の結果が上手く行かなかった時、重箱の隅を突いたように、人のミスを追求する。ミスを追求するだけで、これから先の事を考えていない。

・トラブルが発生した時も先ずは誰かにやらせて、ある程度、目途が付いた時に自ら出張って、あたかも自分が全部やりましたと言うように持っていく。

・携帯電話は出ない。但し、上司など自分に取ってプラスになる人からの電話は取る。

と言うように、要領がいいのとその見せ方が上手いのです。

ただ、このように出世した人を見ると、ほとんど、内弁慶な人が多いのです。どういう事かと言うと、社長の顔色や社内の出来事ばかりを気にしているのです。

裏を返せば、これから会社をこのようにしたい!と言う「理想や未来像」を持っていないのです。

それでも仕事がある内はいいのです。

これが、会社の業績が悪くなるとどうなるか?

・とにかく経費を削る努力を部員たちにさせるのです。

残念ながら単に経費の削減くらいしか考えがなく・・・

知恵を絞って新しいプロジェクトにチャレンジするとか?

新しいサービスや商品を開発するとか?

他社との業務提携を模索し、販路を増やすとか?

業績を回復させる為に色々と考えて行動することはないのです。当然ながら会社の強みを生かして選択と集中を考え大胆な組織改革が必要だ!ともならないのです。

実は、好き嫌いで人事を決めた社長も、決められた相手も、たとえ業績が厳しくなっても、現状を変える事はしたくないのです。今のままで、何とか乗り切ろうと考えるのです。昔もピンチはあったがそれでも乗り越えてきたんだと言う過去の甘~い想いを忘れられないのです。

それでも、物事は回っていますから、必ずどこかにしわ寄せが回って来ます。どこに回るか?

・社内の経費削減に留まらず社員の残業代カットやボーナスを減額することで、とにかく固定費を抑えようとします。

・協力会社に一層のコストダウンを求めるようになります。

・お客様には取引価格のUPをお願いするのです。

一旦、業績が悪くなると、中々、回復するまでに時間がかかりますので、しわ寄せをこうむってきたお客様や協力会社からの反発を受けることになります・・・

・お客様が離れていく。(取引価格UP要請で、お客様も取引の見直しを静かに初めているのです)

・協力会社が離れていきます。(今までのように仕事が順調に来ているなら多少の値引き要請も受けることが出来ますが、仕事量が減った中での値引き要請では、受けて入れてくれる協力会社はいないのです)

・社員は?(他に条件のいい会社が見つかれば転職していく者もいますが、なかなか社員は辞めないのが実情なのです=但し、残っている社員のモチベーションは低い)

それともう一つ重要な問題が起きています。(なるべくコストを抑えようとして、仕事が「雑」になっていることなのです。いつもどおりと思っていても、この仕事はこのくらいでいいでしょう。と変な妥協をしたり、残業代も出ないから、早く帰宅しようと考え仕事に対して身に入らなくなっているのです。)

自業自得と言えばそれまでなのですが、好き嫌いで人事をすると「嘘でしょう!」と思うかもしれませんが、こんなことが起きているのです。

***勿論、好き嫌いで人事をしても上手く行っている会社もあります。ごく稀なケースですが、好き嫌いで選んだ人物がたまたま人間性に優れていた場合のみ上手く行っているのです。でも、ほとんどの場合、好き嫌いで選んだ人物を立てると、類は友を呼ぶではありませんが、その選んだ人物像に似ているケースが多く、結果的に、選ばれた人も好き嫌いで人を判断しているのです。***

「企業は人なり」と言いますが、本当に会社がピンチになった時に「その・・好き嫌いの人選で良かったのか?他に適任者はいなかったのか?」と初めて自分の判断が正しかったのか?分かるのです。逆に言えば、本当のピンチが来ない限り、その人選が良かったのか?ダメだったのか?分からないと言うことなのです。怖いのですが・・・これが現実なのです。ただ、言えることは、そのような人事していると知らず知らずに会社自身の体力も少しずつ落ちている事も言っておきたいと思います。

今日はここまでです。最後まで読んでくれてありがとうございます。

今日も一日良い日でありますように。

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