この頃、何かと「効率よく」と言う言葉を耳にします。確かに効率よくスピーディーに仕事をやる事はいいことです。お客様から見ても迅速に「効率よく」やってもらえると満足してもらえる場面が多々あると思います。ただ、あまり「効率にこだわり過ぎると」逆に人を不快にさせてしまう場合があります。今日はこのテーマで行きたいと思います。
「効率」これにこだわり過ぎると人を不快にさせてしまう場合があります。ここに気付かず仕事をしている人たちがいます。
気付かないとは?=人には感情があるのです。自分の取っている行動や考えてることが間違っていなくても、人によっては不快に感じていることがあるのです。
具体的に営業職を例にすすめたいと思います。
トラブル編

○×会社の佐藤さん、数年前に御社から購入した装置がトラブル起こして生産ラインが止まってるんだけど、助けて欲しい!

分かりました。それでは装置に製造番号等が書いてある銘板があるので、それを見て教えて頂きますか?

それと、どんな状況でトラブルを起こしたのか?具体的に教えて頂きますか?

申し訳ないんだけど、とりあえず、緊急なんで、誰かサービスマンを寄越してくれないかな?生産ラインが止まっていて、他にも調整しないといけない事があるから身動きが出来なくて助け欲しい。

すいません。どうしても、それだけは知りたいのです。会社のルール上、それがないと、サービスマンを動かせないのです。

もし、サービスマンを派遣させても、ご質問の回答がなければ、二度手間三度手間になってしまって直ぐには復旧できません。
お客様???
佐藤さんの言い分も分かるが、今は非常事態だから大至急、誰かを派遣してもらって、トラブルの原因究明と対策もしくは応急対策をして一日でも早く生産ラインを復旧して欲しいんだけどな。今、生産ラインが止まっているから、どこか別な所で生産を再開しなければならなくて、急ぎ、そちらの対応を優先しなければいけない状況なのです。あ~ぁ、少しは分かって欲しいな~。
見積提出編

この装置の見積内容だけど、設置工事費用が入っていないけど・・・

はい。設置工事のお話はなかったので、

じゃ、設置工事費用も見積に含んでくれる!

分かりました。一度、スタッフと現場を見させてもらっていいですか?搬入経路など確認しないと見積が出来ないので、又、試運転調整費用を見積させて頂きます。

見積はいつ提出出来ますか?

現場を見せて頂いて、それから約一か月程度もらえますか?
お客様???
設置工事の見積をお願いしなかった自分も悪いけど、そもそも自分たちじゃ設置できないし、試運転調整もあるんだから気を利かせてそこまで見積してくれてもいいのにな~。しかし一か月も見積かかるのか?参ったな~。
電話応対編

内の担当の佐藤さんいますか?

今、佐藤は外出しております。何か御用でしたら、佐藤の方から電話させますが。

宜しくお願いします。
1時間後

佐藤ですけど、お電話を頂いたみたいで、折り返しがおそくなってすいません。

あなたの会社が扱っている○△商品だけど、それについて、ちょっと話が聞きたいので、予定を取ってくれるかな?

すいません。その○△商品に関しましては、扱っている部署が違うので、別の担当の者から電話させますので、少々お待ち願います。
―翌日―

佐藤から指示を受けまして○△商品の事で話が聞きたいとのことですが。

一度、こっちに来て○△商品の説明をして欲しいだけど

分かりました。ただ、ちょっと立て込んでおりまして、来週の火曜日13:00はいかがでしょう?

分かりました。宜しくお願いします。
―訪問当日―

○△商品のカタログをお持ちしましたので御覧ください。で、今日はどのようなご用件でしょうか?

この商品を内の生産ラインで使いたいんだけど、出来るかな?

すいません。そのような件でしたら、一度、技術の者と伺いさせて頂き検討させていただけませんか?
お客様???
何だよ、設置出来るか否か、細かい所はいいのに、わざわざ技術の者が来ないと分からないのかよ。だったら鼻から一緒に技術の者も連れてくればいいのに。ましてやどこかでその商品を生産ラインで使用している実績とか経験がないのかよ。それすら回答できないのか。疲れるな~。
ちょっと極端かもしれませんが、いくつかの例を挙げて見ました。
ここでお客様の感情はどうでしょうか?
確かに、営業マンは間違っている事は言ってませんし、営業マンから見たら、お客様とのやり取りは、マニュアル通りかもしれません。ただ、お客様からすれば、もう少し、お客側の立場になって欲しいと口には出しませんが思っているはずなのです。
◎トラブルが発生した時、生産ラインなんで直ぐにでも復旧したい気持ちがあるが、無理は言えないとお客様も分かってはいるのですが・・それを杓子定規に言われたら、もう、こんな会社とは付き合いたくないな。と思うのです。
◎見積であれば、お客様からすれば、全体の予算がどのくらいかかるのか?押さえておきたいのです。そうでないと全体の計画と合わせて当然ながら総額のお金がいくらかかるのか?概算金額や工程などを掴んでおかないと、計画が出来ません。ここでちょっと考えてお客側の立場になってみれば、多分、設置工事や試運転調整も含めて見積しといた方がいいなと思うはずなのですが、杓子定規にやると、その気遣いが出来ないばかりか、お客様からすれば、この会社の装置ではなく、他社の装置も検討して見ようかな。となるのです。
◎電話対応に関しても結果的にお客様から見れば、電話のたらい回しみたいなもん。この会社面倒くさいし、疲れるな~。と言う印象を持たれてしまうのです。
まさか?ちょっと大袈裟な!と思うかもしれませんが、現実的に現場では起こっている事なのです。
さて、対外的な対応として、お客様に対する対応マニュアルやルールを決めておくと、会社側から見れば一見効率良く見え、誰が対応しても、同じような対応が出来ていると思いがちですが、お客様から見れば、会社側のルールや規則の押し付けとなっている場合があるのです。
いや~ビジネスライクでさっぱりしていいよ。などと言ってくれるお客様は、ほとんどいないのです。実際は、お客様の立場や気持ちを汲んで、行動してくれる人が好まれるのです。昔も今も変わらないのです。だから面倒くさいな~。と思ったらいけません。むしろ、会社の規則は規則として頭に置きながらも、まずは、お客様が気持ちいいような対応をしてあげよう!と考えて行動しながら自社の規則を後から自然な形で加えるようにすれば、お客様も不快にならず、自分自身もきっと気持ち良く仕事が出来るはずなのです。そうすれば、きっと次の仕事にも生かされてくるのです。
今日はここまでです。最後まで読んでくれてありがとうございます。
今日も一日良い日でありますように。
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